独自分析データ
ANALYTICAL DATA
2024年08月20日
退去者の約半数(24万人)が施設内で亡くなる。 近年は特養以外で、看取り対応の民間ホームが急増。

株式会社 TR データテクノロジー(本社:東京都中央区 代表取締役 田中幹雄、以下当社)は、全国約 4.2 万ヶ所におよぶ介護施設等(※)を対象に退去者の退去先データを収集しました。全国集計並びに施設タイプごとの傾向は下記のとおりです。
当社は全国 6 万件の介護事業所のデータ販売をしており、2024 年 8 月1日には最新版をリリースしています(「福祉施設・高齢者住宅 Data Base」)。
※特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、グループホーム、介護付有料老人ホーム(介護付)、住宅型有料老人ホーム(住宅型)、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

1)退去先の全国集計 【退去者の約半数(24 万人)が施設内で亡くなる】
特養をはじめ 7 つの施設タイプについて、前年の退去先別集計結果は図 1、表 1 のとおり。
施設内で亡くなるケース(以下、死亡退去)が最も多い 48%を占め、約 24 万人が該当する。これに医療機関の28%、特養等の他の施設が 12%と続く。

2)施設タイプ別の退去先傾向 【死亡退去の割合が 7 割を占める特養】
施設タイプ別の退去先集計は図 2、表 2 のとおり。死亡退去の割合では特養の 70%が最も高く、12.6万人が該当する。老健は在宅復帰が目的の施設のため、医療機関や自宅へ退去が多い。
また、介護施設以外の死亡退去を見ると、介護付および住宅型が 5 割前後と高く、サ高住 4 割、グループホーム 3 割の結果。これら民間施設でも、合計で約 10.2 万人がホーム内で亡くなっている。

3)施設タイプ別の退去先(近年の開設傾向) 【住宅型の死亡退去割合が特養の約2倍に】
図 3 は、死亡退去の総数を施設タイプ別割合で示したもので、さらに全体集計と近年の開設事例で比較した結果である(近年の開設事例は、2021~2023 年の 3 年間に開業したホームが対象)。
その結果、全体集計では特養が死亡退去者の半数を占めているが、近年の開設事例では、住宅型が約 4 割と最も高く、特養の約 2 倍に相当する。
近年、住宅型で主にガン末期患者を対象にした「ホスピス型ホーム」が急増しており、こうした在所期間が短く、且つホーム内で看取りを行う事業モデルの拡大が本結果にも影響していると思われる。

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